「ひなぎく3」
けれど、とうとうひばりは死んでしまいました。
子供たちは、ひばりのお墓を作りました。しかし、ひなぎくの行き先はごみ捨て場でした。
ひなぎくの優しさを誰も気づかなかったのです。
ひばりのイメージは、ハーバート・ジェイムス・トレイパーの「ウォーター・ベビー」から。ひなぎくのイメージはエドワード・ジョン・ポインターの「嵐の精」からきています。
対照的な死に様を描きたかったので、基本的に反対の色使いやポーズで描きました。
この作品、あまり知られていませんがすごく深い作品だと思います。人間のえぐさというか、思い至らなさとかをすごくストレートに描いていると思います。
気づかれない優しさとは美しいけれど、自分を含めてそれに気づけないんだろうなと…。
それでも、この作品のひなぎくは幸せだったと思うのです。大好きな人のために、生きて、死ねたのですから。
グループ展「Door」出展作品
08/2/3 水彩色鉛筆